タランテラって何?
タランテラという曲の名前はピアノやっている方なら一度はきいたことがあると思います。
ちゃんと辞書で調べるとこう書いてあります。
タランテラ(tarantella) 急速な8分の6拍子のナポリの舞曲。この名はイタリア南部の地名タラントから、あるいは毒蜘蛛のタランチュラにかまれた時に、この踊りを踊ると治るという伝説から生じたと言われる。19世紀中期にはリスト、ショパンなどが芸術的音楽を作曲している。
引用元:新音楽辞典(音楽の友社)
タランテラの由来については調べれば調べるほど諸説があるので、とても一言では言えません。
私自身は「タランチュラ」という毒蜘蛛に刺されて、その毒のせいで踊り狂うと言われている激しい舞踏だという認識です。
とりあえず、8分の6の速くて激しい曲!ということで。
今回初めて辞書で調べて踊りに治癒効果があるという伝説があったのは知りませんでした(勉強不足)
ともあれ、タランチュラと関係しているってだけでもかなりのインパクトがあります。
そもそもタランチュラという蜘蛛はご存知でしょうか?
ちょっと画像を載せるとアレなんで、興味ある方は「タランチュラ 画像」でググってみてください。かなりのインパクトのある写真が並ぶはずです。
くれぐれも虫画像大丈夫という方のみ限定で。
私は自分がタランテラの曲を弾いていたとき、かなりこの蜘蛛に興味がわきました。
調べると、毒性はそれほど強くないようですが、この強烈な見た目から様々な伝説が生まれたのではないかと想像しました。
普通にこれが不意に目の前に現れたらモンスターかエイリアンだと思って気絶します。それにどうやらヤツラの攻撃方法は「噛む」だけではなく「毛を飛ばす」という飛び道具を使うそうなので、もう虫とは思えません。
で、ずっとタランチュラの画像みているうちに、コバルトブルーきれいだな・・・とか、大きすぎて虫というより動物みたいで「骨とか肉とかあるんじゃない?」とか思ったり・・・
タランテラって曲はどれくらいあるの?
ここから曲の紹介&動画紹介します。演奏動画は責任もって「これだ!」と思う動画を厳選しました。全くの私の好みで選んでいます。
目次
- ブルグミュラー(J.Burgmuller)
- バスティン(Bastin)
- ギロック(Gillock)
- モシュコフスキー(Moszkowski)
- プロコフィエフ(Prokofiev)
- ショパン(Chopin)
- リスト(Liszt)
- ラフマニノフ(Rachmaninoff)
1. ブルグミュラー(J.Burgmuller/Etude Op.100 No.20"La tarentelle")
1番馴染みがあるのはブルグミュラーの「タランテラ」かと思います。
子どもたちにも人気があり、発表会で弾かれることも多いです。
人気曲なので検索したら簡単に出てきますが、まさか反田恭平さんの動画が見つかるとは思いませんでした・・
ただお子さんたちが真似したら危険な速さ・・・
しかし素敵。場面の移り変わりの間とか絶妙。装飾音符もこんなに鮮やかな装飾品になるんだ・・・
2. バスティン(Bastin)
バスティンのタランテラ。小さいお子さんが弾くのにちょうどよいです。
ピアノベーシックシリーズ「ピアノ」レベル2。
3. ギロック(Gillock)
「こどものためのアルバム」という曲集の中に入っています。短い曲だし、手が小さくても弾ける・・・と思いきや、最後のほうで一箇所左手にオクターブが!
この動画の方もとても上手です。おそらく子どもたちはもっと速く弾きたくなると思いますが、まずはこのようにきちんと楽譜通り(強弱含め)に弾けることを目標にしたいですね。4小節1フレーズもとてもわかりやすくお手本としては最適かと思います。
4. モシュコフスキー(moszkowski) Op.77-6
ピアニストさんの動画がどうやっても見つかりませんでした。子供が弾いた動画はたくさんありますが、選び疲れたので挫折・・・
そもそも一般人のよそのお子様の動画を勝手に紹介するのはちょっと気がひけまして・・
でもいい曲なので紹介したく、この動画を選びました。
左手のリズム練習を死ぬほどしなきゃいけませんが、左手のエチュードにもなって一石二鳥!?
5. プロコフィエフ(Prokofiev)
子供の為の音楽 Op 65より タランテラ
ということで、これも子供用の作品。
とはいえ、やはりプロコフィエフなので独特の重さというか、エッセンスがありますね。ただ軽やかで速いだけのタランテラじゃない。
曲と音がマッチしていて、それでいてプロコフィエフの面白味もきっちり表現してくださっているリチャード・グレスコさんの動画を紹介します。この方はカバレフキーの子供のための小曲集のCDも出している方なので、お手本にするなら間違いないでしょう。
途中で音色が変わるところなんかグッときます。
楽譜もちょっと覗いてみたーい!という方はこちらもどうぞ。
6. ショパン(chopin)
意外と知られていませんが、ショパンも作曲しています。
華麗なタランテラという雰囲気。
曲は3分強くらいと短い曲ですが、難易度も華やかさも十分あって演奏会・発表会で映える曲です。
動画の演奏者は2010年の第16回ショパンコンクールで3位のダニール・トリフォノフ。
めちゃくちゃ素敵です。
楽譜を見たい方はこちらもどうぞ
7. リスト(Liszt)
巡礼の年第2年「ヴェネツィアとナポリ」よりタランテラ
リストのタランテラ、めちゃくちゃカッコいいです。どう考えても上級者用です。
これはピアニストによって7〜9分くらいと結構幅があります。速いだけの曲ではないので、中間部分のテンポ設定などで大分違いがでます。
こういう性格の曲は、手の動きも含めて「見せる」「魅せる」曲だと思っています。
私はこの曲を聴く場合にはあまり難しいことは考えずにエンターテイメントとして楽しく聴きます。
「冒頭はどうはじまるのか」「中間部分の歌はどう聞かせてくれるのか」「後半入った瞬間からラストまでどのように持っていってくれるのか」
この3点くらいしか注目しません。
この後半の2分くらいが、私にとってスリリングなワクワクドキドキ☆ポイントなんです。
実はこの曲私も弾いたことあるのですが、後半に入るとスイッチが、カチャって入るんですよ。
もう興奮していてアドレナリン全開になってくるのですが、水面下ではもう爆発しそうな感情を抑えて高速で弾いていきます。そしてラストに向けてドッカーンって打ち上げるわけですが、この緊張感がたまらないんです。なので、聴くときもそういうところに注目して聴いてしまいます。
この曲の動画探すのめちゃくちゃ楽しかったです。すっごい時間かかりましたけど。
リスト弾きで有名な巨匠シフラ、もう巨匠となりつつあるキーシンは有名すぎるのでちょっとおいておいて、弾く姿もよく見える動画を選びました。
シフラになるともう静止画しかないもんね。
ボリス・ベレゾフスキー。1990年チャイコフスキーコンクール優勝。この方の演奏はシビれました!中間部分も面白かった!後半のラストスパートもエキサイティングな部分と冷静さのバランスがたまりませんでした。
8. ラフマニノフ(Rachmaninoff) 2台ピアノ
最後は2台ピアノの曲です。
ラフマニノフ作曲 組曲第2番Op.17 「タランテラ」
1人では弾けませんが、この曲が大好き過ぎるのでタランテラと聞いてこの曲を紹介しないなんてことは私には不可能です。もうできれば最初に紹介したいくらい。なぜなら私の青春時代はこの曲と共にあったから(大袈裟)
私は2台ピアノが大好きで、このタランテラは友人と暗譜するまで弾いてました。頭の中でページめくれるくらい覚えてしまいました。
この組曲は4曲からなっており、タランテラはラストの4曲目です。
学生時代この曲をやっていたときは、こちらのアルゲリッチ&フレイレの録音をCDが溶けるくらい聴いていました。
今回改めて探してみるとユジャ・ワンとルガンスキーの演奏を見つけました。
組曲2番全曲。タランテラは17:00辺りです。
カッコよすぎてどうしよう。
これはCDです