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ブルグミュラー25の練習曲より第4番「小さなつどい」解説・解釈・練習法

2021-08-08

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第4番「小さなつどい」

曲名は版によって「小さな集会」「子供の集会」など色々

4分の4拍子。ハ長調

<学習ポイント> 3度・6度の重音の連続

題名について

版によって色々と名題が変わるのは訳し方によるものです。

原題は「La petite reunion」

Deeplの訳によると「小さな会議」「小会議」「少人数のミーティング」と出てきたので、ただ集まって遊んだりおしゃべりしたりというよりは何かのお話し合いのような印象があります。

子供たちがちょっと真面目な顔をして学級会でも開いているような感じでしょうか。

 

度数について

重音というのは文字通り音が重なっているいること。2つとか3つとかを一緒に弾くことです。

音が離れている時、「いくつ離れているか」というのは音楽の場合「度」という単位で表します。

この4番には3度の連続がたくさん出てきます。13小節目と14小節目は6度の連続が出てきます。

 

重音の弾き方

3度

3度の連続というのはピアノを弾くに辺り、難しいテクニックの一つです。

で、スタッカーよりスラーの方が難しいです。

まあ・・なんというか元々3度は難しいので、ひたすら練習しましょう。

3度は弾きにくいし、子供達も苦手意識強いかな?と最初は思っていたのですが、意外と皆この曲が好きです。

なんででしょうね?

私が子供の頃はさっぱりわけわからなくて「変な曲」だと思っていました。

生徒たちはそう思っていなくてよかったです。

最初に出てくる3度の下降形は指番号が3と5しか記されていませんが、書いてない部分はこうなります。

 

 

7小節目も同じ

 

10小節目のここは2と4指でひたすら上まで駆け上って下さい。

次の小節のドミまで。

 

重音は何も考えずに指のおもむくままに弾くと、「強い指の音が強い音が出る」という状態になります。

2つ重なっている音の上の音が聞こえるようにしましょう。

なので、上の音だけを弾く練習をします。特に1つ目の「ファミレドシラソファミ」というやつ。

543543543と上の音だけ弾きます。

この時に

543(ファミレ)

よいしょ

543(ドシラ)

よいしょ

543(ソファミ)

と、よいしょのところが間空かないように気をつけましょうね。

子供らしさが無くなってしまいます。

 

6度

この13~14小節目の6度に関しては、全音の楽譜にこんな素敵な解説がかいてあります。

6度の時はスラーもスタッカートも書かれていない。生徒が自分のイメージに従って、また、小さな手でも自由に弾けるようにという、ブルグミュラーの意図と推察できる。このことは彼が本当に子供というものをよく知っている愛情あふれるピアノ教師であったことと、それを活かせる作曲家であったことを物語っている。指導者は子供たちに対して、彼が譜面に書いたこと以上のものを求めすぎないよう気をつけたい。Allegroでありながらnon troppoとつけ加えられていることにさえ、彼の思いがあふれているのだから。

全音楽譜出版社ブルグミュラー25の練習曲解説より引用

 

ぴよこ
なんて素敵!ブルグミュラー先生ってやさしい❤

 

ただね、あれ?ちょっとまって?

1行目に、6度の時はスラーもスタッカートも書かれていない、って書いてますね?

なんかスラーみたいなもの見えますけど?

解説読んでちょっと感動したのに「あれー?」ってなりましたよ?

2番目のが全音の楽譜です。

この6度はスラーをつけるととても難しくなります。子供の小さな手ならなおさら。個人的に3番めの運指もそれほどいいとは思えません。

子供たちを見ていると、「1と5」でそのまま弾いていることが多いので、ここはもうそのままでいいと思っています。

6度の重音の徹底練習はまた別の機会に!

速さについて

Allegro non troppoとあります。

Allegro (アレグロ)は速く。

non troppo(ノン トロッポ)は「それほどでもなく」「はなはだしくなく」

ぴよこ
それほどでもなく?
やりすぎないってことだね。速いけど速すぎないでねってことだね
ぴよこ

このnon troppoはちょいちょい出てきます。

例えば、速く走るけどオリンピック選手の100M走までは命かけなくていいよ、みたいなニュアンス。

有名どころの曲でいうと、ベートーヴェン「熱情」の第3楽章です。

これにはAllegro ma non troppoとあります。maは「しかし」という意味。

速く。でも速すぎないでね。というニュアンスになります。

ランランさんの演奏で。

「え?これで?これ速すぎじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ランランさんが本気出したらもっともっと速く弾けちゃいます。ちゃんとAllegro ma non troppoでお弾きになっています。

non troppoの「やりすぎない感」って個人的に好きなんです。速けりゃいいってわけじゃないよ?っていう微妙なニュアンスが。

24番の「つばめ」にも同様のものが出てきます。

ただ、子供の勢いを止めるのはなかなか難しい。

昔この曲で発表会に出た生徒は、どんどん速く弾けるのが嬉しくて、というかこの曲の特徴である「手の交差する運動性のみ」を愛していたので私はそれを止めることができませんでした。

運動神経の良いお子さんで「走るがデフォルト」「階段は飛び降りる」「棒はよじ登る」「果物・野菜は皮も茎も食べる」というようなワイルドな少女でしたから。

なぜかポケットに入っていたゴリゴリの硬い柿を骨を噛み砕くような音をさせながら食べていた彼女に畏怖すら感じたものです。

話はそれましたが、とにかく「速いけどほどほどにね」です。

上記のようなワイルドなお子さんの場合はもうそっと見守りましょう。楽しいのが一番です。

 

追いかけっこがあるよ

15小節目から18小節目にかけて同じ音形が左右に出てきます。

「大事なことは2回言う」

と言わんばかりのこの箇所。4回同じこと言ってます。

同じことが複数回出てくるのは大抵「強調したい」という意志が込められています。

特に4回目は左手も逆の形で登場して、一気に広がりを見せてf(強く)まで向かっていますね。

ということは15小節目が始まる時、なんなら左手が始まる前から気持ちは19小節目に向かって弾き始めるべきです。

15~17は高ぶる気持ちを抑えつつp(弱く)で進み、

18で一気にクレッシェンド!

19で「来たわー!」

20・21で一旦落ち着きを見せたと思いきや

22でまた盛り上がって最高音へ!

ぴよこ
なんだか忙しい曲だねぇ
子供の集まりだしねぇ
ぴよこ

 

で、そこからまた先程出てきた「ミーレドドーシラ」が続くわけですね。

駆け上がっておりる

駆け上がっておりる

またリピートして

駆け上がっておりる駆け上がって・・

リピートを全部まともに守ったら、かなりの回数を上り下りすることになるので、結構3度が鍛えられます。

 

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