私がレッスンの冒頭でも生徒さん達に使い、自身でも愛用している基礎練習のための教本です。
角野隼人さんが師事されていた金子勝子先生が監修をされています。
本当にものすごく愛用しているのでご紹介します。
この教材の良いと思う点がまず大きく2つ(リンク先に飛べます)
パターン練習が半音づつあがるから黒鍵を使う&調性が意識できる
例えば、指の基礎訓練として有名なハノン。これは同じ指の動きで1音づつ上がったり下がったりしますよね。ただこれ全て白鍵なんです。
なので、フラットな床の上にでこぼこや危険物無しで目をつぶってでも歩けちゃうような安全な感じ。指の開きの感覚や音の塊をパターン化させるのにはとても良いと思います。
ただ意識しないと結構指がすべっちゃったりしても気にしないとか、ただひたすら横にずれていくだけなので何の音を弾いているのかあまり考えないで弾くこともできちゃいます。こうなるとハノンの効果が薄れてもったいないですが、初学者の方や子供の生徒さんは「意識して」という作業はとてもむずかしいことなんです。
この指セットの基本的なポジションは「半音づつ」上がります。
ハノンと比較して図解するとこんな感じ。

指セットでポジション移動するとき、生徒さんのレベルに合わせてこんなことを言っています。
- 黒いところひくよー
- 全部半音あがるよー
- 3番目の音と4番目の音はいつも半音になるよ。あとは全音だよー
- 次は変ニ長調ね。フラット5つ
- 次は変ニ長調、Des-dur
- はい、次Des-dur
おわかりかと思いますが、上の方は幼児向けで下にいくにつれ高学年用の声掛けとなっております。
特に初学者さんはまだ黒鍵を触る機会があまりなく、「黒鍵=むずかしい」のイメージを持ちがちです。
最初習い始めた頃は白鍵ばかりで弾くことが多いのですが、レベルがあがるにつれ白鍵も黒鍵もなくなります。黒鍵を弾くのは単純に譜読みが大変というだけではなく、鍵盤の高さが変わるという物理的に大きな違いがあります。
たとえば、指が動きにくい3指と4指。
3指が白鍵で4指が黒鍵の場合、4の指が白鍵を弾く場合に比べて高くなりますよね。

ただでさえ4指ってあがりにくいのにきっついわ
この「きっついわ」が大事なんです。譜読みをしないでそこそこ指に負荷をかける。
特に小さい子は理屈ではまだ考えないので「わーあがらなーい なんでだろー」と言いながら小さい指をよいしょとあげています。

理屈じゃなく身体でおぼえていく感じなんだねぇ
この本の基本となるポジションは12種類あります。この基本で音階や和音、跳躍などの項目があります。
で、巻頭の一番最初のページ。ちょびっとだけ画像(本当はよくないかもしれないですが)。
12種類全部をやるのは時間的にも厳しいのでうちでは2〜3種類を必ずレッスンの最初にやるようにしています。誰も文句のない「くじ引きルールで」。引いたカードの番号の調をを弾くというわけです。
長い時間のコースの生徒さんは全種類やります。はっきり言ってたった週1回ですが2〜3種類やるのと12種類やるのは1年後全然違います。週1回のこの5分の差がこうも違うものかと驚きます。

毎日5分じゃなくて週1回5分の継続でも1年たつとそんなに違うんだねぇ

この右に見える雑なカードは生徒さんがいる時に「よぉし、くじ引きにしちゃおうか!」とその場で作ったものです。生徒さんはとても喜んで次の週も「この前作ったやつだね!」と喜んでやってくれます。他の生徒さんもゲーム感覚でやってくれます。
スマホ(QRコード)で簡単に角野隼人さんのお手本動画が見れる
各ページに上にQRコードがついており、全ての練習のお手本動画を視聴することができます。
これは本当に便利でスマホで簡単に3秒で見れちゃうんですよね。
昭和生まれの私はお手本演奏といえば、カセットやレコードを購入してセットしてポチッとやって「あれ、巻き戻ししすぎた、飛ばしちゃった」なんてやりながら二手間も三手間もかけながらお手本の演奏を聴いたものですが、それに比べてこのQRコードの手軽さは比べるべくもありませんが便利すぎて驚きました。

時代がね・・
しかも本さえ買えば無料ですから。
そして動画ですから。
全曲お手本演奏収録はかなり手間がかかっています。
お手本動画の演奏者は角野隼人さんと今井理子さん。お二人共監修である金子勝子先生のお弟子さんです。素晴らしいピアニストのお二人が基礎のお手本動画を弾いてくださっています。
指セットのPVです。「指慣らし程度で使うもんじゃないわよ」的なお言葉に震えておりますがお許し下さい。
指セットを試してみようと思ったきっかけはこちらの動画です。この練習方法いいなー。まとまった本出ていないかなーと思っていたところでした。
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