
指番号守るのめんどくさいのに、先生がうるさいんですけど、本当に守らないとダメなんですか?
このように感じている方はとても多いのを私は知っています。そして私も小さい頃は同じ用に思っていました。
指番号に関しては以前にもこんな記事を書いています。
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指番号って大事なの?
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指番号で演奏は変わる
今回は少し上級者用の曲にも絡めて。
ショパンエチュードに注目してみます。
エチュードというのは「練習曲」という意味ですが、ショパンのエチュードともなると単なる指の訓練の為の練習曲というレベルではありません。
音楽的にも内容が深くなり、曲も華麗で立派に演奏会の演目として弾かれます。
「革命」や「木枯らし」「別れの曲」「黒鍵」などが有名ですね。
例えば黒鍵のエチュードの楽譜の冒頭を見てみます。

こんな感じで、右手の「351」 となっている指番号の上に「24」と書かれています。
これはどういうことかというと「どっちでも弾きやすい方でどうぞー」というわけです。
じゃあ指番号なんてやっぱ自由でいいじゃないか!
という適当で単純なものではなく
「この曲を35で始めるか、24で始めるか」を悩みに悩んで自分の手や指と相談して決めるところなんですね。そしてそれは頭で考えてもわからないことが多く、実際何度も何度も何度もやってみて決まることが多いです。
その次の音達が弾きやすいかどうか、又は最初の一音目が3の方がくっきり出るとか、2の方が思った音が出るとか理由は様々です。
見てわかる通り、指は一本一本長さが違います。そしてその人によって太さや重さも違います。

指にはそれぞれ個性があるの
そしてそれは今まで指番号を大切に勉強してきた人達が悩むポイントでもあったりします。なぜなら音色や弾きやすさが変わるから。
ショパンの曲の場合は割と指番号が書いてある曲が多く、これはとても助かります。
弾きやすい指を教えてくれてるんですから。
でも版によって指番号が違うこともよくあるので、私の場合は同じ曲でも3種類くらいの楽譜を用意して自分に合うものを見つける参考にしたりもしています。
指番号がないとどうなるの?
困るのが指番号がほぼない楽譜

とはなりません。ため息が出ます。
「まず指番号から決めなきゃならん」から始まる楽譜の例を出します。
これいいと思います?
指番号なくて縛りないから自由でいいじゃん!って思います?

で、次の下の楽譜は日々コロコロと指番号が変わる箇所です。
どの指でやるのがいいのか毎日試行錯誤している最中です。
ある程度速く弾けるようになってくると、ゆっくりだと問題ないところが速度上げると外してばっかりとか、異様に弾きにくかったとか出て来るんですね。

この指番号を決める作業は、今までの指番号の基礎知識がないとできません。
そもそもラフマニノフの場合は作曲者自身が手の大きな人であったことと(ドからオクターブ上のソまで届く人)、異常な手の柔軟性の持ち主だったということで彼の弾いた通りの指番号書かれても多分できないですけどね。
なので「どの指なら可能であるか」を考えて指番号を決めます。
ピアノを弾くものにとって指番号は「弾けるか弾けないか」くらいを左右する大事なものです。
数年経ってまた同じ曲を弾いた時に、「今ならこの指番号の方が弾きやすい」となることもあったりもします。
折角指番号が書いてある練習曲をやっているのに守らないのは効果が半減してしまって勿体無いです。練習曲は指を鍛えるため、速く動くようにするために考えられていますから。

弾きやすい指ばかり使ってたら弾きにくい指はいつまでもそのまんまだもんねぇ
指番号が自分で決めれるようになると、元々ピアノ曲ではないちょっと弾きにくいポップスの曲なども自分で弾きやすく考えられるようになりますよ。
適当に弾くと変な文章になる
おはなが きれい
これは意味がわかります。
これが音楽の場合、指の都合でスラーを無視したり、スラーがついている所で指がはなれちゃったりすると
おは ながき れい
のような文章になってしまいます。1つの文節のように弾くためには気持ちだけではなく、指でもちゃんとつなげて1つの言葉になるようにしましょう。
意味を正しく伝えるために、どの指もコントロールできるために訓練するのが練習曲です。
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