
薬の効能が聴音にも変化を与えた
今までの流れ
ピアノと認知症予防①、ピアノと認知症予防②、ピアノと認知症予防③、ピアノと認知症予防④
たまに初見演奏もいれたり、伴奏づけ等もランダムでちょこちょこと入れています。
こういう地道な脳の訓練は、薬とは違い即効性もないですし、本当に脳によいのか証拠もありません。
ただ、市で行っている高齢者の為の「健康体操」というものに週に1度母は通っているのですが、
「周りの人と自分の差が開いてきた」
と感じているようです。
やっている内容としては、右手と左手の動きをバラバラにしたものや、歩きながら他の動作も取り入れる等のようです。
「もうね、ピアノよりずっと楽。
やっぱりねー、お母さんピアノで鍛えてるから効果でてるんだわ」
だそうです。
私が教えていて一番驚いたのは、ある日突然すごく集中力があって聴音がすらすらできる日があったので
「今日どうしたの?いきなりわかるようになった?」
と聞くと
「今日はねー、病院で処方してもらった女性ホルモン(こういう説明)が効いてるんだと思う。なんか今日は音がわかる」

正直怖かったです。
やはり薬というのはすごい効き目なんだなと。
こんなにダイレクトに脳に影響与えるんだなと。
これは母も同感だったようで、日常生活においては「いつもより体が楽で気分もよい」程度しか感じないそうですが、こうやって聴音のように難しい事を行った時に「いつもとかなり違う感覚」になった事に多少恐ろしさを感じたようでした。
と、同時に聴音でこういうのが露見するのか・・とも思ったものでした。
最高齢者91歳のおばあちゃん
今まで私が教えた中で、1番の人生の先輩は89歳の方でした。
この方が2年間通ってくれて91歳まで続きました。
89歳でうちにきて、ピアノは
生まれて初めて✨なんですね。
大抵はこの位の年齢の方がピアノの習いにくる時は、小さい頃少しピアノをやったことがあるとか、大正琴をやっていたとか、コーラスをやっていた、等、少しの音楽経験があって来られることが多いのですが、このおばあちゃんは本当に生まれてはじめて。
経験がないから悪いと言っているのではなく、この年代の方は特に「先生に申し訳ない」と躊躇(ちゅうちょ)される方がとても多いので、勇気を出してうちに来て下さったことがとても素晴らしいと思いました。
ご本人によると、
「もう好きな事するって決めたの。80過ぎてからますますそう思うようになって、85歳に初めて海外旅行行ってから毎年行ってる」
いやもう素晴らしい。
結局レッスンの半分はおしゃべりで、ピアノはド〜ソを右手で少し弾けるようになっただけでしたが、ご本人は満足のようでした。指や手がそんなに動くわけではないので無理は禁物でした。
あともう1つは年齢が50近くも下の若い人と話をするだけでも大変な刺激になるようです。
レッスンの後毎回、
「なんかね、今まで一度も使ったことがない脳の所が使われているのわかるの」
と言っていました。
90歳がそう言うんだから間違いない
90年間生きてて初めてそう思うくらいの感覚なんだからきっと脳にいいんだ!
と勝手に確信しました。
実はこの台詞、示し合わせたように大人の生徒さんは皆さんそう言います。
母のレッスンがんばろ。
認知症が予防できれば、
認知症が仮に出るとしても、発症を遅らせることができれば、
もし仮に発症したとしても軽度の段階で進行を緩やかにすることができれば、
そんな思いから母親のレッスンをしています。
そして、時間的・金銭的にも余裕があって、なおかつピアノに興味があった・昔憧れがあったという方はぜひピアノに挑戦してみて欲しいです。
