「指番号って守らないとダメなの?」
もしあなたの先生が
「音符とリズムさえ合っていれば指なんてなんでもいいわよー」
っていう考えの先生でしたら即教室を変えましょう。
それくらい指番号は滅茶苦茶大切です。
指番号というのはピアノを弾くにあたり、各指に番号をつけたものです。
左右、親指から1、2、3、4、5となっています。
小さい子なんかは左手の小指側から1、2・・・と数えてしまったり混乱することもあるのでそうなった時は両手を合わせて親指から順番に「1の指だよー」とか言って、触ったり動かさせたりして再確認させます。
指番号は音符の上に小さく数字がふってあります。
こんな感じです。
なんか番号いっぱいあって面倒くさそうですよね。
ただでさえ音符多くて音符読むのに精一杯で、
番号なんてもうめんどくさくなってどうでもいいやー
指なんて何を使ったって、音符が弾ければいいじゃんー
と、なる子はとても多いです。
指使い(運指という)を守るということは、漢字の書き順を覚える事と少しだけ似ているような気がします。
「人」という字を書く場合左の「ノ」の方を上から書きますよね。
そうやって小学1年生で習うはずです。
「大」という字を書く時は最初に横棒をひいてから「人」を書きますよね。
この時既に人の書き順を学んだ子供は横棒を書いた後に左側から「人」を書くはずです。
そして「体」という字の「にんべん」は何も言わなくても「ノ」を書いた後に縦の棒を書くはずです。
こうやって少しづつ学んでいったものに付け足していって複雑な漢字を美しく書けるようになっていきます。慣れてくると難しい漢字の書き順はなんとなく今まで学んできた流れで推測で書けるようになっていくはずです。
この順番がバラバラだと字は不格好になるだろうし、何と言っても最初の「ノ」を上から書かずに下から持ち上げて書いてしまった場合、あのシュッとした「はらい」は存在すらしなくなります。
カタカナでいうならば「ツ」と「シ」なんかはもはや違う字になります。
ピアノの運指の訓練も初心者のうちからコツコツと積み上げていきます。
ドレミファソラシド
と、音が並んでいるものを弾く場合、ピアノに触れた事がない子は
ド(①の指)レ② ミ③ ファ④ ソ⑤ ラ⑤ シ⑤ ド⑤
とか弾いたりします。
これだとなめらかに聞こえません。
正しくはファの音を1の指をくぐらせてまた2、3、4、5と続けて弾きます。
こうやって3の指でミまで弾いたら、
よいしょっと、
親指(1の指)をトンネルのようにくぐらせて
ジャーン!
ファの場所に1の指がきました
こうやって基礎的な指の使い方を学んでいって複雑な曲に取り組めるようになっていきます。
あと小さい子はどうしても動かしやすい指を使いたがるので、4、5の指を使うのを嫌います。これを放っておくとえらいことになります。
ピアノは10本の指を全て自由に動かす事が目標となりますので、教材に書かれている指番号を無視してるといつまでたっても指が鍛えられません。
あと恐ろしいのは指番号一つで文章の意味が変わってしまうことです。
弾きやすさを優先して、勝手な所で音を切ったりしてしまうと
今日、とも子ちゃんと遊んで楽しかった。
が
京都も こちゃんとあそん 出たの 叱った
くらい変てこりんな文章になって聞こえます。
楽譜は文章と似ています。単語や文節から一つの文章になるように、音楽にも小さな固まり、大きな固まりがあってそれを正しく意味を捉えて奏することで初めて意味のあるフレーズとなります。
上級者の話になりますが、難しい曲になってくると指番号が書かれていない場合が出てきます。こういう場合、基礎の運指が出来ていれば自分で弾きやすい指番号をあみ出していくことができます。
あと、突き詰めていくと
「このファの音を3で弾くか、5で弾くか」とか、
たった一音を何の指で弾くのかで数日迷う事もあります。
各々の指の性質というものがあり、力強い音を出したい場合には1を使ったり、しっかりした音を出したい時は3、柔らかく繊細な音を出したい場合には4や5を選んだりすることがあります。
それくらい運指というのは演奏者にとって気を使うものなのです。
ですからまずは10本の指が動くようになるために、最低限練習曲は指番号を守るようにしましょう。
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