前回の記事で「独学でもピアノは弾けるようになる」とは書きましたが、勿論デメリットがない訳ではありません。
独学でピアノを弾くメリットが
「お金がかからない」「自由な時間に自宅でピアノを学べる」
だとすると、デメリットはその真逆ということになります。
月謝は高いし、仕事で忙しいのにレッスン日なんて定期的に決めると時間的に厳しいのよね。先生選びはめんどくさいし、通うのだって大変!天気が悪かったらお出かけも億劫だし、寒かったら外にも出るのも嫌なのよね。
わかります、わかります。
私もこれで習い事やめたことありましたから。もうね、冬なんて雪は降るし、車の雪下ろしから始まると思うと週1の習い事なんて私には到底ムリ。
だから余計にうちに通って来て下さる社会人の方達には
「本当によく来て下さいましたね!っていうか仕事で疲れてるのにほんとによく来ますね?家で休みたくないですか?」
と思ってしまいます。悪い意味じゃ無いです。感激してるんです。これ本人に直接聞いてます。
皆さんに聞くとレッスンが続いてる理由は
- 一人だと自分に甘くなってサボってしまう
- もともと「ピアノを習う=レッスンに通う」という図式があるので独学は頭に最初からない(この場合は昔習った事がある人に見られます)
- 忙しい日常だからこそピアノで気持ちを切り替えたい
- 先生の顔を見に来た
なんかこんな感じです。
一応ピアノ講師の立場からでのレッスンに通うメリットにも触れてみたいと思います。(ピアノ独学者=大人の方という設定に勝手ながらさせて頂きます)
独学者との決定的な違いは、「ピアノばっかりやってきた人間と接触する」事です。
それがいいのか悪いのかは別として自分と違う人生を歩んで来た人と一対一で接する機会が与えられることになります。
それから先生の家でグランドピアノを触る事ができて先生のお手本を間近で聴くことができます。
質問があればすぐ答えてくれるし、弾けない所は練習の方法を要領のよい方法を教えてくれます。
あなたの手や実力にあった選曲もしてくれるし、経験のある先生ほど引き出しは沢山あります。
結果ピアノが上達するための時間を短縮することになります。
週1回のレッスンは強制的に練習することにも繋がりますし、間違ったやり方でやってる場合も早期発見できるので大怪我にはなりません。
独学でついてしまったクセというのは案外しつこくて、ついてしまった時間より取る時間の方がかかると思います。
万が一、独学でずっと楽しんでこられた方が
「よし!大分弾けるようになったし、ちょっと行き詰ったからここから先はプロにお願いすっか!」
と意を決して少し自信を持ってピアノ教室の門を叩いた場合、ちょっと傷ついちゃうかもしれません。哀しくなるかもしれません。もしかしたらこうも言われちゃうかもしれません。
「わぁ!楽譜結構読めるんですね〜
それでは1からはじめましょうか(悪気ない)」
先生達も勿論気を使っているので上記のようなストレートな表現をする人はほぼいませんが「じゃあ弾き方を少し直していきましょうか」とか「好きな曲は勿論そのままで、一曲だけ指の為の本もやりましょうか」とかやわらかーく遠回しに言っていますが、結局は同じことです。
私は独学の方はすごくやる気がある方だと思っています。
中には「ピアノ教室にいけばピアノ弾けるようになる」というような魔法のような事を考えている人もいます。
教室にさえ足を踏み入れれば勝手に弾けるようになるわけではありません。
結局は自分が努力しなければ絶対に弾けるようにはなりません。
そういう意味では独学の方は最初から自力でなんとかしようとしているのですから素晴らしいと思います。
ただ、上記のような「ちょっと哀しい事」もあったりすると思いますので、是非めげないで頑張ってほしいと思っています。