「発表会でオススメの曲ってありますか?」
この質問、ヤフー知恵袋でよく見かけます。
なんで先生に相談しないのでしょうか?
皆さんの先生は曲を見つけて下さらないんでしょうか?
オススメの曲を紹介してもらっていい曲だなーと思ったらそれにするんでしょうか?
それとも曲をある程度しぼってから先生に相談するのでしょうか?
「このテンポはアップテンポなので速い曲が好きな子には向いてますよ^^」とか
「おんぷはそんなに混み合ってないけど、きれいに弾くのは難しいので、たっぷり歌える子にオススメ!」とか
「うちの子はオクターブぎりぎりなのでオクターブ多い曲はちょっと^^;」とか
こんなこと、先生は百も承知です。
質問も答えも具体的なのに、どうして先生に同じことを聞かないのか。
先生を信用してないのか、先生が曲選びを生徒に丸投げしてるのかどちらかなんでしょうか?
勿論、憧れの曲を見つける楽しみもあるし、それを思い切って先生に相談してみて自分が演奏可能なレベルなのか確認してみる、ってことはあります。
私の場合はその子に合うであろう曲を2〜3曲選んでその中から決めてもらうことが多いです。決めるのは動画をみてもらったり、私が弾いたりします。
問答無用で「◯◯ちゃんの曲は先生が決めます」、という子もいますし、「革命弾きたいんですけど・・・」と言われたら「じゃあまず今年はこれ。革命はまだ早いから数年後の為の準備をしよう」的な事で決まる事もあります。
明らかにジブリとかディズニーにしか興味のない子はとにかく好きな曲を選んでもらって、レベルに応じたアレンジ譜を探します。
場合によっては私がアレンジすることもあります。
そりゃもちろん「好きな曲だからこそ頑張れる」かもしれませんがあまりに身分不相応の曲だとテンポは遅く、弾けない所はゆっくり、つっかかりながら息も絶え絶え・・・
死に物狂いの100キロマラソン!あと数百メートル(数小節)でゴール!
みたいな演奏だとつらいと思います。
聴いている方も切なくなりますが、まず本人が。
私は先生に曲を選んでもらうのが楽しみでした。
自分の実力にあった知らない曲に出会える機会。
今みたいに簡単に無料で曲は聴けないからラジオやテレビの放送をタイミングをなるべく逃さないようにしてカセットテープやビデオにとったり、たまにレコード買ってもらったり、先生が録音してくれたりして新しい曲と出会えるのを楽しんでました。
今でもこれ、実はめっちゃ勉強になったんじゃ?と思うのは
楽譜売り場で楽譜をみながら音を頭の中で再現する
気になる楽譜いちいち買ってられないんです。お金かかるんです。でも知らない楽譜って気になるんです。どんな曲なのかなーって。
でもレコードとかいちいち買ってられないんです。お金かかるんです。だから一生懸命頭の中でピアノを再現してメロディーがどんなのか知ろうとしました。かなり必死で。
これね、結構難しいんですよ。
何度もその場で「ああ、ソの音を確認したい・・」とか思いましたもん。
大体小学3〜6年生くらいまでこういうことやってましたが、多分譜読みとか初見とかの練習にすごく役立ったと思います。
あの「音楽の父バッハ」だって、小さい頃兄さん達の弾く楽譜がほしくてほしくてしょうがないから自分で聴音して楽譜おこしちゃいましたしね!
やっぱり人間、多少不便な方が頑張るのでしょうか。簡単に手に入らないからこそ何とか自分で工夫する、実はそれがすごく自分の為になった、というような話はよく耳にします。
発表会の曲も誰かに質問すれば簡単に答えが返ってくる時代。
でもその前にまずは自分で何でもいいから50曲くらい聴いてみてはいかがでしょうか。
同じくらいの年頃の発表会の動画を見てみると、同じ曲が多いな?ということも出てくるでしょう。一体それはどういうことなのか考えながら探し、聴いてみるのもきっと楽しいと思います。