「私ピアノ弾けないんですけど・・・」
とおっしゃるお母さんよくいらっしゃいます。
心配ご無用。
全然弾けなくていいです。
むしろ弾けない方がいいくらい。
なぜかと言うと余計な手出し口出しが入るからです。
「昔5年くらいピアノやってました」
「中学校に入るまでやってました」
このくらいのキャリアの方は要注意です。
一応少しだけ経験があるので初歩のことは理解できます。
ですので子供にそれをレクチャーします。
子供が間違えるとイライラしたり、わからないとすぐ教えてしまったりします。
そして、自分が昔習ったやり方でやろうとします。
子供の譜読み(自分で楽譜を読む)習得はとてもとても時間がかかります。
こちらが出した課題に対していつも良くできてるので
「もうおんぷ読めるようになったんだな」と思ったら大間違いで
実は全て家でお母さんが教えてくれていた、
自力では殆ど読めていなかった
等ということが数年後に発覚したという恐ろしいことが起こったりします。
もう今はすぐ見抜けるのでその心配はなくなりましたが。
私がまだまだ新米だったころ、これが見抜けなくて1年くらい経ってから発覚したあとの衝撃。
音大を経てピアノの先生になった人達は大抵小さい頃から譜読みなんかも周りに比べて早い子が多いはずなので、子供がすぐに楽譜を読めるということに違和感を感じません。
なので若い先生は気がつきにくいことの一つだと思います。
厳しい言い方かもしれませんがピアノを5年くらい経験しているということは5年しか続かなかったということです。まだまだ初心者なのです。初心者が初心者を教えることは危険なことです。
よく友人同士で、頭のいい子に勉強を教わったりすることがありますがあれとは違います。友人同士と、親子関係は全く別だからです。
特に小さい子にとってお母さんは絶対的な存在です。
お母さんの言う事は正しい、
家ではお母さんの言う通りにしないと怒られる、
こういう心理が無意識に働いています。
ある日教えてもいないやり方で勝手に弾いてきた生徒に対して、どうしてこういう風に弾いてきたの?と聞くと
生徒「だってお母さんがこうやってやれっていうんだもん」
ぴ 「そうなんだ。でもこうだからこうやって弾こうね」
生徒「だってお母さんはこれでいいっていったもん(涙目)」
ぴ 「そうなんだ。もしかしたらお母さんちょっと間違っちゃったかもしれないね。大人でも間違える時はよくあるから」
ぴ 「でも、ピアノのことだけは先生の方がよく知ってると思うからこうやって弾いてね」
こういう事が実際あります。一番の被害者は生徒です。ついてしまった癖をとるためにマイナスからゼロに戻す作業をしなければなりません。
私がお母様たちに望むことは以下のことです。
弾く環境を整えてあげる
応援する
この二つが私が最も大切ではないかと思うことです。
次回に続きます。