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聴音って何のためにやるの?聴音って役に立つの?

2020-08-17

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マルチタスクの処理能力

実は私も小さい頃は漠然とこう思いながら毎週やっていました。
「これピアノ弾くのに役に立つのかな?」と。

聴音というのは聴いた曲を楽譜にすることです。

学校の国語の時間では「読み・書き」をやります。
読むだけではなくて書くことによってより理解が深まりますし、自分で文章を書くことにもつながります。

例えばこんなニュースがテレビで流れたとしましょう。これはyahooニュースから引っ張ってきたものでおそらく読み上げると数秒で終わる文章です。

【ワシントン共同】アラブ首長国連邦(UAE)と国交正常化で合意したイスラエルのネタニヤフ首相は16日、米FOXニュースのインタビューにエルサレムから応じ「他のアラブ諸国の指導者たちとも話をしている」と述べ、国交正常化の動きが中東諸国に拡大する可能性を示唆した。

yahooニュース(2020,8,17)

これを一度聞いただけでは、私の場合ですと

「アラブむにゃむにゃ連邦となんらかで合意したイスラエルのなんとか首相は16日、アメリカなんとかニュースのインタビューに中東のどこかから応じ、他のアラブの指導者たちとも話し合いをしている、と述べ、正常化の動きが中東に拡大する可能性があるって言った」

脳内ではこれくらいの理解度しかありません(おバカですみません)

一度で書けと言われたら絶対できません。「あれ?アラブ首長連邦?アラブ首長国連邦?アラブ連邦?」とか、必ずどこかであいまいな部分はあります。

でも、聞きながら文章を完成させるとしたら、何度も聞かないとならないし曖昧さも許されないし、漢字も正しく書かなきゃと思うと調べることだってあると思います。日本人だと政治家の顔は思い浮かび名前が言えても、正しく全員の名前を漢字を書ける方なんてそう多くはないんじゃないでしょうか?

楽譜も同じ。
見て弾くだけでは曖昧になることが多いのです。

楽譜を見て簡単に弾けるものでも、実際それを聴いて楽譜にするのは何倍も大変です。出来上がりを見ると、こんな簡単な楽譜なのに自分で書くのってこんなに大変なんだ・・・と割とがく然とします。

例えば4分の4拍子の曲で簡単なものならすぐ弾けちゃいます。
いちいち拍子を意識しなくてもそれなりに弾けます。

ただ、自分で書くとなるとしつこいくらい「1小節には4拍分しか入らん」ということを意識しますので、嫌になるくらい正確にリズムを考えなければいけません。

それから沢山の数をこなしていくと、
4拍分のリズムのパターンの引き出しが増えて、定着もしていきます。
パターン化されたものが定着すると、初見も早くなります。

下の写真では1小節をさらに4つに区切ってあります。

聞こえた音が何拍目なのか視覚的にわかりやすくするためです。

上の写真は実際の私の小学1年生の生徒です。
一生懸命やっています。
音符を黒く塗る時は「くーるくーるくーるくーる」と言いながらぬっていてちょっと楽しそうです。

この女の子は自分で線を書いていますが、毎週毎週これを書き続けるわけですね。一見無駄な時間に思うかもしれませんが、どんな曲でも1小節は4つに区切れるんだということが体に染み込んでいきます。これはとても大事な感覚です。

この女の子は
「レの音は2拍目だ」
と意識して2拍目の場所に書いています。

一見簡単そうですが、これってよーーく数えながら聴かないとできないのです。

そして同じ小節内でも4拍目に次の音が聞こえてきたら、「レの音は2つのばすんだな?」と考えるようになります。
2つ伸ばすという事は2マスあけるという事なので、視覚も使い体感で長い音符だということを感じるようになってきます。

そして、聞いた音を瞬時に5線の上に印をつけていくわけですが、これがスムーズにいくと当然読む場合も速くなってきます。

音を聴く 数える 音を書く

この3つの作業を同時に行うことになります。

ぴよこ

すごいでしょ

これはとてもむずかしい作業なので、結構な処理能力を鍛えることになります。

そして休符も出てくるので、音が消えているのか伸びているのかも注意深く聴かなければなりません。
自ら指をはなして音を切るのは簡単なのですが、逆に伸びている音がいつ消えているのかを聴き分けるのはかなり注意深く聴いていないとできません。

小さいうちから意識してやっているとどんどん敏感になっていきます。

ピアノは音を膨大に扱う楽器なので、音の処理能力がかなり要求されます。

指だけが動けばいいというものではないのです。

「全ての音を聞いてコントロールする」という能力が必要なのです。

ぴよこ

大変でしょ

和音でも役に立つ

和音というのは2つ以上の音をバーンと同時に弾くことです。

この時に例えば3つの和音「ドミソ」を同時に弾いた場合、ただ3つ鳴らせばいいというわけではないのですよ。

和音を弾くときの脳内

ドだけ弱くて聞こえてないんじゃないかとか、
ソだけ強くなっていないかとか、
はたまたミだけ特別強くなっているとか

こういうことを聞き分けられないといけないのです。
これが不揃いだと「和音のバランスが悪い」となります。
そして、和音のバランスをよくするのはとてもむずかしいことなのです。
やっぱり強い指が強い音になってしまいますから。

これをコツコツと長い期間をかけて先生にうるさく言われ、自分でも聞くようにしながら上達していきます。
先生がいくら「ミだけ飛び出てるよー」とか言っても、自分で飛び出て聞こえていないとなかなか直らないものです。

音を聴くというのは弾くことと同じくらい大切なことなので、聴音はやはりとても重要な項目だと思っています。
ただ、すぐに演奏に反映されるわけではないので、なかなか実感を持ちづらいものではありますが。

聴音で長い時間をかけて身に付いたスキルはそう簡単に覆されるものではありません。聴音が得意な子は譜読みが早いので、進みも早いです。

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