アナリーゼというのは何かというと楽曲分析のことです。
曲を理解するのに必要です。
音楽の父ヨハン・セバスチャン・バッハ様
バッハのインベンションは弾くのも理解するのも難しいし、教える方も難しいと思っている先生はいらっしゃると思います。
大体ピアノ学習者はインベンションに入る前に、プレインヴェンションか、アンナ・マグダレーナのためのクラヴィーア小曲集をやっているはずです。
まずここでバロック音楽のの基礎を学び耐性がついてからインベンションに進む方が多いでしょう。
うちでも「ここがテーマで〜」「ここがテーマと反対の形になっていてね〜」なんてやっていますが、バッハのインヴェンションともなるとそれを全てやっていたら途方もない時間がかかるし、そもそも生徒が嫌になるんですね。
目が死んでいくというか、説明したところで1ミリも記憶に残らないまま、バッハが嫌いになるというか。
私もインヴェンションは楽譜とは別に分析本のようなものは3〜4種類持っていますが、自分で使うにはいいけど、生徒には難しい。
それで最近見つけたのがこれです。
バッハインヴェンション ワークブック (東音インヴェンションシリーズ)
いくら口頭で教えても説明しても、自ら考えて自分の手を動かして書いたものにはかないません。難しいことならなおさら。
これは簡単過ぎず、むずかし過ぎず、ちょうど良いさじ加減で非常によくできているワークブックだと思っています。
「何調に転調していますか?」
というざっくりした問題だと20種類以上ある調性の中から生徒が自分で考えて選ぶのは至難の技です。そもそもそんなに頭の中に入ってないですし。
このワークブックだと2択ですので「どっちかな。えーと・・」と自分で考える意欲も湧いてくるというものです。
テーマの調と、転調した調の関係性も「主調・属調・下属調」など3択ですし、毎回転調するたび、曲が変わる度にしつこくやっていけば自然と身についていくでしょう。
先生側からの方も、細か過ぎても時間は取られるばかりだし、あらかじめポイントを絞ってくれているので教えるのにもとても楽だと思います。
2019年の秋に出版されたばかりなので、知らない方も多いのではないでしょうか。
そして、このワークブックの解答はこの本には付いていません。それもまたいい。
解答が書いてあるのはまた別の本になります。
これです↓
私は今中学生の生徒に使用していますが、「こういうの好き。楽しい」と言っていました。
これでがっちりインベンションをやっておけば、シンフォニア(3声)にもスムーズにいけますし、バッハだけではなく、あらゆる作曲家の曲を理解できる糸口になると思っています。
「なんとなく綺麗な曲だから好き」「激しくてカッコいい曲だから好き」という感覚的なものだけではなく、もう一歩踏み込んで楽譜を理解していけばより楽しくなるはずです。