「なかなか音符が読めないのですが、スラスラ読めるようになる方法ありますか?」
という質問をよく目にします。
よく目にするので、そんな魔法みたいな方法があるなら私も知りたいと思い、その手について書かれてある本を立ち読みしたり、ネットでもどれどれ・・とクリックしています。
でも大体これ⇧を覚えましょうと言ってるだけのような気がします。
5線の線と線の間にある音符を「間(かん)」といい、線の上に乗っている音符を「線(せん)』といいます。
上の図では、左側の音符のかたまりが「間」で、右側が「線」です。
で、
「線と線の間のマルだけに注目してファラドミソと覚えましょう!覚えたら後は簡単、ファとラの間にあるのはソってすぐわかりますね!」
こんな文面もよく目にします。
もうほんとその通り。
ドレミファソラシドを1つおきに覚えるだけです。
私も生徒たちには同じことを言っています。
でも読めない子はいつまでたっても読めないのです。
なぜなら忘れるから。
結局はただ単に覚えなきゃならないんです。
ピアノの鍵盤は88個しかなくて、線は5本しかなくてその5本の上に丸が置いてあるだけです。しかも覚えるのは白鍵の分の52個だけ。
52個の鍵盤に全部住所があるだけです。全て実際の鍵盤と照らし合わせて覚えるだけです。52個なんて、今まで覚えた漢字や英単語に比べたらすごく少ないと思います。
ト音記号で記される5本線だけじゃ52鍵網羅はできないので、ヘ音記号という便利な記号で低い音域を補っているだけです。
しかも52個全て覚える必要はありません。
大体この30個覚えればなんとかなります。
真ん中のドとか、両がわの音符についている短い線(加線という)は、5本の線だけじゃ足りないからその分おぎなっているだけです。
音符を見て、その音符が鍵盤のどこなのかがわからないのは、たんに慣れていないだけです。
「約30人の住所を覚えるだけ」
と簡単に考えて、実際の鍵盤を鳴らしながら照らし合わせることを繰り返しやるという、実にシンプルなやり方が結局一番の近道だと思っています。
この30人さえ完全に覚えたらあとの20人余りは「ああ、お隣さんだからミさんね」と感覚がつかめてきます。
「音符に音名を書く」のは遠回りです。書いてしまうと、人の目はわかりやすい方に目がいってしまいます。字を読んでしまうのでなかなか音符と鍵盤が直接結びつきません。
そして音名を書くことの1番の弊害は「音の高さを無視してしまう」ということです。
うちの生徒でもやはり音名を力一杯書いてきてしまう子は割といます。
ドは8個もあるんだよ
知ってた?
文字を追って弾く子はこのドの場所がめちゃくちゃになる場合が多々あります。
それをいちいち注意して直していく時間はとても無駄です。直してもまた文字読んじゃうからまた忘れるし。
そしてヘ音記号になると、これまたグッと「ヘ音記号は苦手ー」という方が増えるのですがこれも単に慣れていないだけ。
ト音記号の読み方で線とマルの場所に慣れてしまっただけ。
「えっと、ト音記号でラの場所がヘ音記号のドで・・」とト音記号の読み方に一旦置き換えてからヘ音記号を読む方が非常に多いです。
ヘ音記号の譜表を読む時はト音記号のことは忘れましょう。とにかく鍵盤と結びつけていきましょう。
魔法のような方法を求めて本を探したり、ネットで楽な方法はないかと検索する時間があるならさっさと30個覚える作業に費やした方がよっぽどいいと思います。