ショパン作曲「幻想即興曲」
美しい曲ですね。
この曲に憧れる生徒さんの多いこと。
子供達がこの曲に取りかかる時はこれから半年以上かけてこの曲に挑戦する!という状態で発表会に弾くパターンが多いです。
動画はシプリアン・カツァリスというピアニストです。
おそらく「ショパン 幻想即興曲」とYoutubeで検索すれば日本人のピアニストや今話題のピアニストがすぐに出てくると思いますので、私はあえてカツァリス氏のショパンを挙げました。
個人的にとても好きなピアニストです。ユーモアもありながらちょっと悪魔的な魅力もあったり不思議とゾクゾクします。
で、本題。
この曲の難易度はどうかというと、普通に難しいです。
とりあえずソナチネが終わったとか、ソナタがどうとかというよりも指が速く動くのかどうかがポイントです。
指が動いて、この曲に対する強い憧れと情熱が半年以上保ち続けられたら、形にはなりやすい曲だと思っています。
ギリギリのレベルでの挑戦ですので、生徒さんがまず面食らうのが右手4連符に対して左手3連符というこの動きです。
このパターンが初めての場合はまず慣れないといけませんので、私の場合はこの小節だけで1ヶ月くらいやってもらっています。
体に馴染めばあとは同じですから。
右手の練習は皆よくやるんですよ。
難しさがわかりやすいので、何度も何度も弾いたり、リズム練習をしたり頑張ります。
ただ、この曲を本番で弾くのであれば大事なポイントがあります。
◎それは中間部分のゆっくりした部分を疎かにしないこと。
◎最後のコーダの部分を最初のページ以上に練習すること。
これが本当に大切です。
特に子供の演奏の場合は中間部のゆっくりした部分は弾いていて面白くないからか、おまけのように弾かれることが多く、しかも似たようなパターンが続くので「本番で分からなくなっちゃった」がとてもとても多いところなんですね。
あと最後のコーダは一番難しいところですが、ここだけ練習してもダメなんです。
もちろん部分練習は必要なので、死ぬほどさらってもらうのは当然として、せめて中間部分が終わってからの再現部から何度も通して弾けるようにしないと本番で恐ろしいことになります。
このコーダに差し掛かる頃には右手はかなり疲労しているし、ラストに行着く頃、特に本番では頭が沸騰して冷静さが失われやすい状態になっています。
なので最後を一番カッコよく弾きたいなら腕の体力が必要不可欠です。
最後でヘロヘロにならない為に、この曲に初めて挑戦するときはたくさん弾きまくりましょう。